それは許される恋…ですか
「好きだ…」と漏れる声を聞きながら耳たぶを舐められるとゾクゾクする。
吹き付けられる呼吸が熱くて、言い合ってたのも忘れてしまう。


ギュッと肩口の辺りを強く握った。
厚哉に首筋を吸い寄られてくると直ぐに身体中の力が抜け落ちてしまう。


くっ付いた胸の隙間から手が忍び込んでくる。
着ていたトレーナーは捲り上げられ、あっという間にブラジャーごと脱がされてしまった。
荒くなった息遣いが胸の先端へと触れる。息が掛かっているだけなのに、どうしようもなく鼓動が早まる。

舌の先が硬くなった先端部分に絡み付き、口腔内へと含まれていく。


「……っ…あ……つ…や……」



この瞬間をどれ程待ち望んでいただろうか。
彼の唇で全身を清められ、新しい跡を付けてもらうのを。

下の方に動いていく彼の頭を掻き抱きながら、こんなに彼を求めたのは初めてだと思った。



「……厚哉……深く抱いて……」


私の記憶から白瀬さんのことを追い出して。
もう一度初めての時のように私の全てを厚哉のものにして欲しい。


クラクラする程の情熱を持って抱いて。
その温もりさえあれば、これからもきっと頑張っていけるから。



「明香……いいよ……」


細い体が力強く動いている。
ベッドの軋む音に翻弄されたままで、私の意識は遠くなっていきそうだった。



「明香」


耳の側で囁く声がして目を開ける。
切なそうな眼差しで見下ろしてる厚哉の唇が私の唇へと降り注いだ。



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