それは許される恋…ですか
お弁当を食べてコーヒーを飲めば終わってしまう。
(鬼と一緒に食事なんて息詰まるーー)
さっさと済まそうとして休憩コーナーの椅子に座った。
私の向かい側でカレーを食べている人の視線が、手元の弁当箱に注がれる。
「桃はほぼ毎日自前の弁当作ってくるな」
「ええ。その方がお金掛からないですし」
「うちが弁当屋なのを知っててその所業か?」
「たまにはこちらの賄いも食べてますよ。でも、夕食に作った物が余る時もあるんで、それを入れてくるんです」
パカッとフタを取ったら覗き込まれた。
向かい側から近づく顔もイケメンで、こっちは余計な動悸を感じる。
「肉じゃがか」
「ええ、昨夜少し余ったので」
厚哉が食べ残しておいた物を入れただけ。
間接キスの気分が味わいたくて、少しでもハッピーな気分に浸りたかった。
「一口くれ」
言うなり一番大きかったジャガイモを取っていった。
「あっ!何すんですか!」
追いかける箸も間に合わない。
白瀬さんはスプーンの上に乗せたものを丸のまま口に放り込んだ。
モグモグと軽く噛みしめ、ゴクッと喉を鳴らして飲み込む。
「ひどーい!」
私のハッピーを返せ。
「酷くないだろ。弟子の味を効いてやったんだ」
まぁ合格だな…と呟きカレーを食べ始める。
私が恨めしそうな目で見ていたからか、ほら…とルゥをご飯の上に乗せた。
「あっ!」
「ジャガイモ分返す」
(鬼と一緒に食事なんて息詰まるーー)
さっさと済まそうとして休憩コーナーの椅子に座った。
私の向かい側でカレーを食べている人の視線が、手元の弁当箱に注がれる。
「桃はほぼ毎日自前の弁当作ってくるな」
「ええ。その方がお金掛からないですし」
「うちが弁当屋なのを知っててその所業か?」
「たまにはこちらの賄いも食べてますよ。でも、夕食に作った物が余る時もあるんで、それを入れてくるんです」
パカッとフタを取ったら覗き込まれた。
向かい側から近づく顔もイケメンで、こっちは余計な動悸を感じる。
「肉じゃがか」
「ええ、昨夜少し余ったので」
厚哉が食べ残しておいた物を入れただけ。
間接キスの気分が味わいたくて、少しでもハッピーな気分に浸りたかった。
「一口くれ」
言うなり一番大きかったジャガイモを取っていった。
「あっ!何すんですか!」
追いかける箸も間に合わない。
白瀬さんはスプーンの上に乗せたものを丸のまま口に放り込んだ。
モグモグと軽く噛みしめ、ゴクッと喉を鳴らして飲み込む。
「ひどーい!」
私のハッピーを返せ。
「酷くないだろ。弟子の味を効いてやったんだ」
まぁ合格だな…と呟きカレーを食べ始める。
私が恨めしそうな目で見ていたからか、ほら…とルゥをご飯の上に乗せた。
「あっ!」
「ジャガイモ分返す」