それは許される恋…ですか
「開けまーす!」
声を上げてシャッターを開けると、真っ暗だった空には薄青い色が拡がり始めている。
案の定、前から見たことのある常連さんが店の壁際に立っていて、勤め始めた頃と同じようにギクリとした。
「おはようございます!」
ドギマギしながら元気のいい声で挨拶すると、向こうも久しぶりに見る私の顔に驚いた様な表情を見せた。
「おはようございます」
黒縁のメガネを掛けた男性。朝の挨拶しかしたことないけど、ニコッと笑みを返してくれた。
「鮭弁ですか?」
いつも注文していたメニューかと思って聞くと、「はい」と言葉短く返事が返った。
「少々お待ち下さい」
店内にいる店長に注文を告げ、店内の床と表を掃く。
そうこうしているうちに懐かしい顔の常連さん達がやって来て、「珍しいね」と言われたり、気軽に「おはよう」と挨拶された。
(ふふふ。懐かしいなぁ)
全部が全部悪いことばかりじゃないんだと思える。
2週間だけの楽しみを貰えたんだと思って、精々頑張ってみるかと頭を切り替えた時だ。
「……厚哉っ!」
私の大声にビクついた常連さんが一斉に振り向いた。
注目の的になった厚哉は、照れ臭そうに顔を背ける。
「どうしたの!?もう起きたの!?」
まだ7時を回ったばかり。午前10時から仕事の厚哉には早過ぎるくらいの起床時間だ。
「ああ。まぁ…」
厚哉は言葉少なく声を発した。
声を上げてシャッターを開けると、真っ暗だった空には薄青い色が拡がり始めている。
案の定、前から見たことのある常連さんが店の壁際に立っていて、勤め始めた頃と同じようにギクリとした。
「おはようございます!」
ドギマギしながら元気のいい声で挨拶すると、向こうも久しぶりに見る私の顔に驚いた様な表情を見せた。
「おはようございます」
黒縁のメガネを掛けた男性。朝の挨拶しかしたことないけど、ニコッと笑みを返してくれた。
「鮭弁ですか?」
いつも注文していたメニューかと思って聞くと、「はい」と言葉短く返事が返った。
「少々お待ち下さい」
店内にいる店長に注文を告げ、店内の床と表を掃く。
そうこうしているうちに懐かしい顔の常連さん達がやって来て、「珍しいね」と言われたり、気軽に「おはよう」と挨拶された。
(ふふふ。懐かしいなぁ)
全部が全部悪いことばかりじゃないんだと思える。
2週間だけの楽しみを貰えたんだと思って、精々頑張ってみるかと頭を切り替えた時だ。
「……厚哉っ!」
私の大声にビクついた常連さんが一斉に振り向いた。
注目の的になった厚哉は、照れ臭そうに顔を背ける。
「どうしたの!?もう起きたの!?」
まだ7時を回ったばかり。午前10時から仕事の厚哉には早過ぎるくらいの起床時間だ。
「ああ。まぁ…」
厚哉は言葉少なく声を発した。