それは許される恋…ですか
そのうち握っていた手首を掴まれ、ドキンと心臓が跳ね上がった。


「晩ご飯にしよう。さすがに腹ペコ…」


心臓とは裏腹に厚哉の声は低く響いた。
手首を離され、急に楽になった手の軽さに心許なさを感じる。


先に歩き出した厚哉の左腕に抱き付いた。
ぎゅっと力を込めると、厚哉の反対側の手が髪のてっぺんを揉む。

反比例するように力強く腕を抱いた。
何処にも行かないで…と、胸の奥で願いを噛みしめていた。






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