それは許される恋…ですか
朝から対応できる物だけを受け付けて、何とかチズちゃんが出勤してくるまで乗り切ろうと頑張った。


予想通り、やはり厚哉は来なかった。
ションボリする気持ちもあったけど、今日はそれどころじゃないから丁度いいと思う。



「おはようございま〜す!」


チズちゃんの声が裏口から響き、ホッとしたように駆け寄った。


「チズちゃーん!」


近付いて抱き締めると「大変だったですね〜」と言われた。


「怖かったよー!急にボンッて言って、店長が火傷するし」

「見せてもらいました。真っ赤になっててヒリヒリして痛そうだった〜」


私には見せてもくれなかった傷を見せてもらったんだ…と思うと複雑になる。
それでも9時出勤のパートさん達が来るまでは、2人だけで何とか頑張ろうと力を合わせた。


白瀬さんには9時前から病院へ行って下さい!と懇願した。
私が余りにも頼むもんだから、渋々店を出て行った。


「2人とも頑張ったねー」


10時になって出勤してきた菅さんから褒められ、私とチズちゃんは2人して顔を見合わせてホッとした。
この店で一番長く働いてる菅さんの登場に、やっと息が吐けたんだ。


「明香ちゃんは少し休んできて。朝ご飯も食べずにいるんでしょう?」

「そうだけどご飯はいいです。昨晩遅く食べたしお腹も空かないので。ただ、ちょっとだけ息を吐いてきていいですか?さすがに皆が来たら安心して急にクタクタになったから…」


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