それは許される恋…ですか
「母さん、挨拶はもういいから」
後ろからやって来た白瀬さんに救われる。ホッとしながら息を吐き、彼の方へ目線を向けた。
参ったな…という顔をしてる。いつもの鬼とは違う感じで柔らかいなと思う。
「時間がないから始めるぞ。…桃」
声をかけられ、ピクンと背を伸ばした。
「何かとやりにくいと思うけど頼む。今日は俺も着くし、お前のペースで進めていいから」
全面的に任せる様な言葉を放ち、母親には「指示に従えよ」と言い渡した。
「じゃ…じゃあですね……」
緊張しながら手順を説明する。
今日はいつも店長がすることを自分がするから、お寿司とおにぎりを作って下さい…と頼んだ。
「お寿司って何?握り寿司?」
「アホか。んなモン弁当屋が作るかよ」
悪態を吐きながら漫才みたいに言い合ってる。
まるで自分と父親みたいに思えて、クッ…と笑いを噛みしめた。
重い一斗缶を傾けてフライヤーに油を注ぐ。
昨日のようなことがないことを願いながら着火点に火をつけた。
ボッ!と音を立て、青いガスの炎が回っていく。
爆発音じゃなくて良かった…と思いながら、同じようにもう一つにも火をつけた。
(さてと、次は…)
フライヤーの足元から立つと、私を窺うように見てる人と目が合う。
緊張してるように見えていたのか、フッと優しい目をして微笑んでくれた。
後ろからやって来た白瀬さんに救われる。ホッとしながら息を吐き、彼の方へ目線を向けた。
参ったな…という顔をしてる。いつもの鬼とは違う感じで柔らかいなと思う。
「時間がないから始めるぞ。…桃」
声をかけられ、ピクンと背を伸ばした。
「何かとやりにくいと思うけど頼む。今日は俺も着くし、お前のペースで進めていいから」
全面的に任せる様な言葉を放ち、母親には「指示に従えよ」と言い渡した。
「じゃ…じゃあですね……」
緊張しながら手順を説明する。
今日はいつも店長がすることを自分がするから、お寿司とおにぎりを作って下さい…と頼んだ。
「お寿司って何?握り寿司?」
「アホか。んなモン弁当屋が作るかよ」
悪態を吐きながら漫才みたいに言い合ってる。
まるで自分と父親みたいに思えて、クッ…と笑いを噛みしめた。
重い一斗缶を傾けてフライヤーに油を注ぐ。
昨日のようなことがないことを願いながら着火点に火をつけた。
ボッ!と音を立て、青いガスの炎が回っていく。
爆発音じゃなくて良かった…と思いながら、同じようにもう一つにも火をつけた。
(さてと、次は…)
フライヤーの足元から立つと、私を窺うように見てる人と目が合う。
緊張してるように見えていたのか、フッと優しい目をして微笑んでくれた。