それは許される恋…ですか
厚哉が店に入って来るのが見えて、急に動悸が始まる。
私が出かけに声をかけたせいで、彼が目を覚ましたんだろうか。
ドギマギしながら彼の様子を窺う。
店長は幾分顔を引き締めた様に見えて、「おはようございます」と声を低くめて挨拶をした。
「おはようございます」
無表情な顔つきで店長のことを確かめ、チラッと目線を手に走らせる。
「ご注文は」
店長は手を隠すこともなく厚哉に聞いた。問われた彼は視線を私の方へと向けた。
いつもなら私はおにぎりとお寿司を作ってる。だけど、今日は違う。
「…焼きそば弁当を下さい」
私が調理をするんだという雰囲気を察知したらしい。
振り向いた店長が「焼きそば一つ!」と声を発し、「はい!」と声を返してコンロへと向かう。
厚哉がどんな気持ちで店に来たのかは知らないけど、きっと店長の火傷とお母さんを確かめに来たんだろうと思う。
中華鍋に油を落として豚肉を炒める。十分に火が通ったところでシーフードミックスと野菜を投入し、麺を入れて解れてからソースを混ぜて炒め上げる。
火を消すと鍋から香ばしいソースの香りがした。
朝から焼きそばを食べたら胃にもたれそうだな…と思いつつ、包材容器の中に盛り付けた。
それをカウンターの後ろで待ち構えるお母さんの所へ持って行き、上に青のりと鰹節を乗せ、紅生姜を端に盛るんだ…と教えながら仕上げる。
私が出かけに声をかけたせいで、彼が目を覚ましたんだろうか。
ドギマギしながら彼の様子を窺う。
店長は幾分顔を引き締めた様に見えて、「おはようございます」と声を低くめて挨拶をした。
「おはようございます」
無表情な顔つきで店長のことを確かめ、チラッと目線を手に走らせる。
「ご注文は」
店長は手を隠すこともなく厚哉に聞いた。問われた彼は視線を私の方へと向けた。
いつもなら私はおにぎりとお寿司を作ってる。だけど、今日は違う。
「…焼きそば弁当を下さい」
私が調理をするんだという雰囲気を察知したらしい。
振り向いた店長が「焼きそば一つ!」と声を発し、「はい!」と声を返してコンロへと向かう。
厚哉がどんな気持ちで店に来たのかは知らないけど、きっと店長の火傷とお母さんを確かめに来たんだろうと思う。
中華鍋に油を落として豚肉を炒める。十分に火が通ったところでシーフードミックスと野菜を投入し、麺を入れて解れてからソースを混ぜて炒め上げる。
火を消すと鍋から香ばしいソースの香りがした。
朝から焼きそばを食べたら胃にもたれそうだな…と思いつつ、包材容器の中に盛り付けた。
それをカウンターの後ろで待ち構えるお母さんの所へ持って行き、上に青のりと鰹節を乗せ、紅生姜を端に盛るんだ…と教えながら仕上げる。