それは許される恋…ですか
自分の作った卵丼を食べながら肩を落とす。それから白瀬さんの過去をカミングアウトし始めた。


「弦ちゃんは顔だけはいいけど性格悪いから、彼女ができても直ぐに別れるのよねぇ」


ふふふ…と笑うもんだから、白瀬さんはますます狼狽えてしまう。


「余計な話すんな!桃も本気にするなよ!」


(心配しなくてもしませんよ。こっちは厚哉との関係が微妙で、毎日気持ちが落ち着かないのに)


知らん顔素したまま声も出さずにいると、私を見たお母さんが不意に質問を投げかけてきた。


「桃山さんの彼ってどんな人?お仕事は何をされているの?」


話題の矛先が私の方に向けられる。厚哉の仕事のことなんかあまり話したくもないけど。


「コンピューターのプログラマーをしてます。仕事熱心で我慢強い人です」


この最近の厚哉を思い浮かべながら呟いた。それ以上のことはあまり話す気にもならない。


「我慢強いなんて凄いわねぇ。弦ちゃんとは正反対だわ。…ねぇ、弦ちゃん?」


子供らしく呼ばれる人がまた怒りだす。そのやり取りが続いてる間にパッパと食事を済ませた。


「ご馳走様でした」


手を合わせて洗い場に向かう。のんびりしている間はないんだと自分の胸に言い聞かせる。



(この後は幕の内のおかずを詰めて、サラダの用意をして…)


業務を考えながらお母さんに何をして貰うべきか…と迷った。


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