それは許される恋…ですか
それは許されない恋でしょうか
お昼はお母さんとチズちゃんの３人でとった。
人懐っこい性格のチズちゃんは、明るいお母さんとは直ぐに意気投合して、２人で仕事の間も白瀬さんをからかい続けていた。
白瀬さんは一々それに反応を示し、声を上げたり怒ったりした。


お昼の賄いもお母さんが自慢の一品料理を作ってくれた。
昨夜のエビチリが入った持参弁当を食べながらそれも啄む。

豚肉とキクラゲと白菜の炒め物。
中華風の味付けがされていて、朝食べた丼と同じくらいに美味しい。


「御飯が進む〜！」


ヤバいくらいに美味しいです…と言いながら、チズちゃんはパクパクと食べ進める。
私はそこまでの感動もなく、モグモグと食べていた。


「元気がないわね」


私のことを見ながらお母さんがそう言った。
チズちゃんが顔を確かめ、「ホント」と認める。


「彼氏と喧嘩でもしたんですか？」


チズちゃんの鋭い言葉にギクッとしつつも辛うじて声には出さず、「ううん」と首を横に振る。


「喧嘩なんてしないよ」


それは仲のいいカップルがすること。私と厚哉はそこまで仲良くもない。


「仲良いのね」

（いえ、全くの逆です）


言えない言葉を呑み込んで微笑む。
２人の目線を気にしながらも自分の弁当を食べ終えた。


「ご馳走さまでした」


手を合わせて言うと、お母さんから褒められた。


「朝も思ったけど礼儀正しいわね。お母様の躾が出来てるのね」


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