鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
一瞬の沈黙。
その後直ぐに、みっちゃんの驚きを隠せないというような声が上がった。
まぁ、そうだよねー。
私だって、自分がバイトするなんて思わなかったんだもん。
『でも、風花?
あなた…大丈夫なの?』
まぁ、みっちゃんの言いたい事はわかるよ?
人見知りじゃないけど、そこまでガツガツいける訳でもないし。
『大丈夫‼︎ それに、オーナーにはお世話になってるから!』
そう言って笑った私を見て、ミッちゃんが何かを思いついたように、ニヤリと口角を上げた。
『もしかして、オーナーって湊さん?』
みっちゃんの言葉に頷くと、ニヤニヤと笑い始めたみっちゃんが私を小突く。
『みっちゃん?』
『なら、当たり前かしら。
風花、昔から湊さんっ子だったものね?』
みっちゃんの言葉に反応して、思わず言葉が詰まる。
別に、湊さんとはそんな間柄じゃないよ⁉︎
だけど、まぁ…。
湊さん子だった事は否定できないけど。
『とっ、とりあえずッ!
私、バイトするよ?』
『ええ。湊さんなら安心だわ』