鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『…昴がショートケーキ、ねぇ?』
『あはは…忘れて? 今の』
苦笑いしながらそう言うと、少しだけ目を伏せた葵くん。
…私、今のはすごい無神経だったよね。
仮にも、葵くんは私が好きだって言ってくれてるのに…斎藤君ばっか頭の中に出てくるんだから。
きっと、斎藤君は斎藤君で、私が告白したとしても、頭の中には飛鳥ちゃんしかいないんだろうなぁ…。
『風花ちゃんが昴の事が凄い好きだって事は分かった。
けど、まぁ今いるのは俺だしなー。
さっさと食わねえと、俺が食うよ⁇ そのケーキ』
『なっ…‼︎ じゃあ、フルーツタルト奪うよ?』
『それは勘弁! まぁ、チーズケーキもあるけどな』
…もう、マカロンは私が全部もらおうかな。
いいよね? なんとなく、葵くんのドヤ顔にいらっときたんだし!
机に置かれた二つのマカロンをとって、葵くんを見てニヤッと笑ってみせる。
『マカロン奪ったり〜‼︎』
『それはダメだろ⁉︎ 俺も食べたいんですけど』
『葵くんがドヤ顔するのが悪い』
『あれはドヤ顔する場面だろ⁉︎』
マカロン1つでギャーギャー言い争っていると、圭さんにトレイで叩かれたり。
葵くんにショートケーキ一口食べられて、チーズケーキを半分奪ったり。
結構な時間言い争って、結局、マカロンは葵くんと1つ1つって事になりました。
『あー、美味かった〜!』
『本当だねー、圭さんの家っていうのもビックリだったよ〜。
葵くん、いい店教えてくれてありがとう‼︎』