鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
文化祭【中編(side__昴)】
side__subaru
『おい、昴ッ!』
文化祭の出し物が決まって、クラス中が騒いでいる中。
もっとも騒ぎそうなやつが俺の名前を呼びながら近寄ってきた。
『……何だよ』
ホストなんてやってられるか。
それより、俺は隣のクラスの出し物の方が気になるんだよ。
真白がメイドなんて、有り得ない。
決めた奴をぶん殴りたくなったのは、絶対気のせいじゃないだろうし。
『昨日、俺南と帰ったんだけど』
『…惚気なら聞かないけど』
南って言ったら、水門の事だよな…⁇
真白の親友で、少しだけ怖い女だろ?
最近…と言うより、昨日から目が合えば睨まれる気しかしないし。
『で、見ちゃったわけ』
いきなり少しだけ声のトーンを落とした真翔に、眉間にしわを寄せて視線を向ける。
…コイツがこんなに声のトーンを落とすなんて、嫌な予感しかしないんだよ。
『昨日、風花ちゃんが葵の奴と一緒に帰ってて、後をつけたら仲良さげにカフェの中に入っていってたんだけど⁉︎』
まるで、俺にどういう事か説明しろッ、と言う意味が込められた視線を向けてきたのを見て、俺も少しだけ目を見開く。