鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『南、風花ちゃん、今暇〜⁇』
真翔の言葉に顔を上げた真白と水門は、少し顔を見合わせて、何故かクスッと笑みを浮かべた。
『暇〜⁇ じゃ無いわよ。
今、風花と祐希と話してたんだから』
ね? と、祐希って奴に同意を求めた水門を見て、真翔の肩がピクリと反応する。
『そうだなー、あっ、そうそう!
2人とも、早くメイド服決めてくれよ?
じゃないと、俺と風花も大変だし⁇』
風花…て言ったよな、こいつ。
いつの間に呼び捨てで呼んでるんだよ、という意味を込めて祐希を睨みつける。
そんな俺に気づいた祐希は、どこか余裕そうな笑みを浮かべたかと思うと、メイド服を選び始めた真白に近づく。
『風花、これもいいんじゃない⁇』
『それも可愛いッ‼︎ でも、これも可愛い…。
あー…やばいよね?
全然決まんない…』
結構な距離にいるにもかかわらず、何も言わずにメイド服選んでいる真白を見ると、祐希が俺を見て口角を上げた。
……俺も、真翔も相当性格悪いと思ってたけど。
こいつも、中々だ。