鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『みっちゃん、祐希が、これが良いって言ったんだけど、どれが良いかな?』
『風花ならどっちも似合うわよ、多分』
『ちょっ、多分って何⁉︎』
まるで俺と真翔何ていない様な空気に、隣の真翔の肩が微かに震えているのを感じる。
……気持ちはわかる。
お前は、好きな奴どころじゃないんだからな。
『……南』
いつもとは違う真剣な声で水門の名前を呼んだ真翔に、不思議そうに水門が顔を上げる。
『ちょっと来い』
『はっ⁉︎ 何怒ってるのよ、真翔‼︎』
水門の手を引いて、無理やり教室から出ていった真翔に、祐希と真白が顔を見合わせて、何故か笑い合う。
『……何笑ってんの?』
『説明するから‼︎ 斎藤君、座って⁇』
疑問をぶつけた俺の質問の答えとは違う様な言葉を口にした真白に、大人しく水門の席に座る。
『みっちゃんがね、ちょっとヤキモチ妬かせてみたいって言ったの』
『……は?』
唐突すぎる真白の言葉に、思わずそう聞き返してしまう。
だって、そうだろ?
何が妬かせてみたいだ。
確かに、怖いくらい嫉妬してたけど?
そのせいで、俺まで巻き込まれて嫉妬したことに、絶対お前は気づかないんだろうな。