鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『みっちゃん、嘆いてたから。
あの2人、付き合って結構経つのに手も繋いでないって』
中嶋君があんなに意気地なしだなんて思ってなかった。
そう言って笑った真白に、頭の中に真翔の馬鹿面が思い浮かんだ。
……マジかよ?
あの馬鹿、どれだけ奥手なんだ。
確かに、水門に告白するのも結構な片思い歴を経ての事だったから、ありえなくは無いけど。
『だから、私と祐希君とで妬かせてみようって話になったの!』
それなら、確かに妬かせてみたくもなるよな。
実際、あいつは水門の手を引いて教室を出たわけだし。
『本当はね?
次の休み時間に、廊下で話すつもりだったんだけど。
斎藤君達が来たから驚いちゃった』
『……よかった…』
…は⁉︎
俺、今なんて言った?!
自分の言葉に焦って真白を見るも、聞こえていなかった様で首をかしげながら俺を見ていた。
『風花、俺、斎藤に用があるから。
少し抜けていい?』
『用? うん、分かった〜』