鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
用事なんて無いはずだけど⁇
不思議に思って祐希を見ると、俺を見た祐希が真白にばれない様に軽く睨んできたのは、たぶん気のせいじゃない。
睨まれるのは別にどうでもいい。
俺だって、思いっきり睨んだし。
だけど……こいつもかよ。
真白。
お前は、どんだけ敵を生み出せば気がすむんだ。
幼馴染で、大人で包容力のある湊さん。
積極的に話しかけてる葵。
更に、真白と同じクラスの祐希。
……勝ち目がねえよな、俺。
周りにいる敵が強敵すぎて困る。
『祐希君、斎藤君と仲良かったんだね?』
『そう!
俺、誰とでも仲良くできるからさ‼︎』
『それ、自分で言っちゃうっ⁉︎』
真白のツッコミに笑った祐希が、待ってろよ〜と付け加えて、俺を見る。
……着いて来いって事だろ?
軽く溜息をついて立ち上がり、祐希の後に続いて俺も教室を出る。