鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『……真白』
『あ、斎藤君! 祐希君は一緒じゃないの?』
『……そろそろ戻ってくると思う。
今日、シフト入ってるか?』
最近、真白とはシフトが被らなくて、こいつのケーキも食べきれてないし。
今日はシフト入ってるし、真白も入ってるなら久しぶりにケーキ食えるだろ。
『シフト⁇ 多分入ってるよ〜』
……知ってるけどな。
厨房の冷蔵庫に、バイトメンバー全員のシフト表貼ってあるし。
『斎藤君も入ってる?』
『……ああ』
『じゃあ、久しぶりにケーキ作らないとね〜。
最近被ってなかったしね?』
こんな言動ひとつで俺が喜ぶなんて、こいつはきっとわかってないんだろうな。
偶に、こいつの鈍感さにイラつく時があるけど。
まぁ、それもそれでこいつの良い所…何だろうな。多分。
『あっ、斎藤君。
文化祭の最終日、1人?』
『……多分。
その日は真翔は水門と回るはずだし』
『なら、私と回らない⁇
私も、みっちゃんいなくて1人で回るのはちょっとアレだから‼︎』