鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
真白の表情に後ろを向くと、ご機嫌な水門と少し顔の赤い真翔が戻ってきていた。
…もう1時間経ったってことか。
『…昴。完璧にやられたわ、俺』
『みたいだな。話は聞いた』
悔しそうにそう言った真翔に、口角を上げながら返す。
『お前っ…他人事だと思ってるだろ?!』
『実際、他人事だろ』
面白いから言ってやらねえけど?
真翔。
お前の顔、信じられねえくらい赤いから。
それを見た真白も、水門も同じように笑って真翔をからかいはじめる。
『皆して笑うんじゃねえよっ‼︎』
真翔の悲痛な叫びが教室に響き渡るも、俺らがからかうのを止める奴は居なかった。