鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『そりゃあなー。
絶対行くって湊がうるさいからよ?』
『圭。お前はちょっと黙ってくれ』
2人の仲の良いやり取りに笑みを浮かべて、思い出したようにメニュー表を差し出す。
『湊さんと圭さんの店よりは不味いと思いますけど…一応何か食べて行きますか?』
申し訳なさすぎる。
だって、カフェの店員であって、本職の2人に勝てるくらい美味しくできてるわけじゃないし!
『んー…あ、俺これにするわー』
『あ、僕もそれで』
『えーっと、湊さんと圭さんはショートケーキですね?
了解しました!』
いや、うん。
結構数多いメニューの中から、2人がショートケーキを選ぶなんて意外すぎるけど。
無難だし…ね。
『あ、風花。
この写真のショートケーキ、もしかして風花が作った?』
オーダーしようとしていた私の袖をつかんでそう聞いてきた湊さんに、おずおずと頷いて見せる。
元といえば、みっちゃんが‼︎
私がカフェでバイトしてるのバラして、そこからケーキは宜しく‼︎ みたいな雰囲気になったのが悪い。
『だと思った。
じゃあ、それは当たりだね』
『……え?』