鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!



サラッと、恥ずかしげもなくそう言った湊さんに思わず聞き返してしまい、顔に熱が集まるのを感じる。




だって、もしかしたら湊さんに褒められた…んだよね?




『顔赤いけど、もしかして照れてる?』



私の顔を覗き込んでそう言ってきた湊さんから慌てて距離をとって、背中を向ける。



『照れてません‼︎

ショートケーキ、2つ持ってきます!』




後ろから、からかう圭さんの声が聞こえた気がしたけど。

これは無視して良いはずっ!




『風花、ショートケーキ2つ持って行って‼︎』




『はーい!』



このメイド喫茶で、女子のまとめ役である飛鳥ちゃん。


そんな飛鳥ちゃんからショートケーキのトレイを受け取って、再び2人の席へと向かう。



ものすごく圭さんがニヤついてるのは、多分気のせいじゃないよね?




できるだけ圭さんの顔を見ないように持っていくと、案の定、数分さっきの事でからかわれた。




『……ありがとうございました』



やっと食べ終わった2人を見送って、軽く溜息をこぼす。


いや、2人が来てくれるのは嬉しいよ?


湊さんも圭さんも好きだし!


けど…なんかね?

圭さんにからかわれるのは反応に困るから、異様に精神力を使ってしまう。



< 126 / 234 >

この作品をシェア

pagetop