鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『風花ちゃん、今日は昴と回るんじゃなかったの?』
『え……あ、中嶋君…』
みっちゃんの隣にいた中嶋君が、不思議そうな表情を浮かべてそう聞いてきた。
…なんて言えば良いんだろう。
2人に説明する言葉が見つからない。
『昴は橋本と回るみたいだったから。
俺が無理言って風花を連れ出した』
『斎藤が飛鳥と…⁉︎
風花、連絡来てたの?』
葵の言葉に目を見開いたみっちゃんに、笑顔を作って首を横に振る。
そんな私を見たみっちゃんの顔が歪んだから、多分笑えてなかったのかもしれないけど。
『……真翔。あなたの親友を悪く言うわけじゃないわ。
でも、今回だけは許せない』
中嶋君を睨んでそういったみっちゃんの手をひく。
別に、中嶋君が悪いわけでも、斎藤君が悪い訳でもない。
ただ…私より、飛鳥ちゃんを選んだというだけだ。
『みっちゃん。
私ね、やっぱりあきらめようと思うの』
あんなの見ちゃったら、誰でもそう思うに決まってる。
私も、例外じゃなくて。
斎藤君のあんな笑顔、きっと私じゃ浮かばせられない。