鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
その後は真白に連絡する暇もなく、携帯をさわるのは禁止と言われて飛鳥に携帯を取られて。
真白と目があった瞬間の、表情が。
泣きそうな…そんな表情が、あれから俺の頭から離れなくなっていた。
俺が最低な事したってのは充分わかっていたから、バイトのシフトが被った日に謝ろうと思ったけど。
そんな日が、来る事はなく。
ことごとく真白に避けられて、その上葵と仲のいいところを見せ付けられ。
……ため息はける立場じゃないけど、どうしても出るもんは仕方ないだろ。
真白が走った後追いかけたのは葵らしく、あの後2人で文化祭を回っていたと真翔から聞いた。
『昴、お前さ。
なんでそんな後悔してんの?』
なんで、とか。
そんなの決まってるだろ。
『……真白を傷つけたのは、俺だろ』
だからこそ、この状況に何も言えない。
葵に近づくなとか、避けるなとか。
言いたい事は山ほどあるのにな。