鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『それが、昴の答え?』
俺を見て悲しそうに目を伏せた飛鳥に、ああ…と呟く。
『昴は、風花が好きなんだよね…?』
見ててわかったよ。といった飛鳥が、フェンスにもたれて笑みを浮かべた。
『私じゃ、敵わない?』
……昔は、飛鳥が好きだなんて思った時もあったけど。
真白に感じている気持ちとはどこか違って。
俺の中での飛鳥は、友達として、憧れとしての好きだった事に気づいた。
俺以外の男と話して欲しくないとか、笑った顔をもっと見たいとか。
そんな事を思ったのは、真白が初めてなんだよ。
『俺は、真白が好きだから』
『……だろうね』
そう呟いて俺を見た飛鳥は、どこか吹っ切れたように笑っていた。
『絶対、付き合ってよ?』
『……ああ』
そう言って屋上から出て行った飛鳥の背中を眺めながら、ありがとうと呟いた。
…飛鳥、俺、今ちゃんと頷いたけど。
それは多分、無理かもしれないとか思ってる。
真白は、見る限り葵のことが好きだろうし。
葵も、真白が好きなはずだから。