鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『風花ちゃん。ちゃんと仲直りできたか?』
『うん! 協力してくれてありがとね、中嶋君』
空き教室の中に入ってきた真翔は、楽しそうに笑う真白を見てそんな事を言った。
……協力?
『昴。俺はお前が意気地なしすぎて、結構焦ったぜ?』
『……何の事だよ』
こなの2人の会話についていけてないの、俺だけだろ?
協力って、真白が真翔に何頼んだんだ。
『昴には秘密だよ。な、風花ちゃん』
『うん、そうだねー』
2人で顔を見合わせて笑ってるのをみて、真白にばれないように真翔を睨みつける。
……真翔。お前、覚えてろよ。
そんな意味を込めたのが伝わったのか、俺と目があった真翔が苦笑いして返した。
『風花ちゃん。俺、昴に負けないから』
『うん?』
真翔の言葉は、俺が見えない真白には伝わらなかったらしく、首を傾げていた。
『……真白。真翔置いていくぞ』
『え!?』
そろそろ良いだろ…何て思いながら、真白の腕を無理やり引いて空き教室を出る。
隣で真白が何かブツブツ呟いているのはこの際無視するけど。
『中嶋君、置いてって良かったの?』
『……まぁ、水門に言えば何とかなるだろ』
『みっちゃん?』