鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
真白と水門に聞かれないくらい小さい声で、真翔が俺に耳打ちした。
『土曜日、見に行かねえ?』
お前も気になるだろ? と言って口角を上げた真翔を、眉間にしわを寄せながら見つめる。
『気になるだろ?』
まるで悪魔のように囁いた真翔の言葉に、思わず頷いてしまった。
俺たちがやろうとしてる事って、ストーカーだよな?
……考えない事にしておこうか…。
『これ、南にも秘密だからな?』
ばれたら絶対怒られる、と顔を青くさせた真翔に頷きながら、やろうとしてる事に罪悪感を覚える。
『罪悪感とか感じてもな、昴。
湊さんって人に取られるかもしれないんだぜ?』
……まぁ、良いか。
『……わかった』
『うっし! 交渉成立だな‼︎』
水門と真白にばれないように握手を交わし、俺と真翔の間で交渉が成立したのだった。