鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『これは……なかなか手強いな』
呟くようにしてそう言った真翔に、再度小さく頷いた。
湊さんに敵う自身は到底ないけど。
どうにかしたいとか、そんな事ばっか考えているあたり、俺は結構真白に惚れてるらしい。
『2人、移動する! 追いかけるぞ』
何処か楽しそうに追いかけて行った真翔に軽くため息をついて、俺もついて行く。
その後、水族館に入った2人を、水槽を盾にして覗き見する。
……周りから変な目で見られてないか気になる。
絶対見られてる。
何と無く、視線がここに集まっている気がしてならない。
『昴…ッ! 見失うぞ!』
周りの水槽を見る暇もなく、真翔に呼ばれるまま2人を追う。
……出来れば、来なければよかったなんて、今更後悔する。
楽しそうに笑っている真白と、同じように楽しそうな湊さんを、見たくなんてなかった。