鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
後ろから叫びながら追いかけてきた真翔を待ちながら、そんな事を考えて自嘲気味に笑った。
『昴! 本当に良いのかよ』
フードコートから遠ざかるように歩いていたせいで小さくなったフードコートを振り返って、真翔がそういった。
良いわけ、ないだろ。
だけど、湊さんと俺には、確実に時間の差がある。
それは、真白の幼馴染のような存在だって事もだけど。
湊さんなら、こうやってガキみたいにイラついて、八つ当たりなんて絶対にしない筈だ。
分かってるのにやってしまうのは、俺がガキである証拠。
『……昴。
お前ってさ、俺よりも意気地なしだよな?』
いきなり歩くのをやめたかと思えば、そんな事を言った真翔を目を少し細めてみる。
何言ってんの、こいつ。
お前より意気地なしなわけないだろ。
『俺なら…いや、俺でも、たぶんお前みたいな考えしないし?
どうせ、自分はガキだからとか思ってるんだろ?
てゆーかさ、お前がガキなら、俺はなんなんだよ!?』
真翔の言葉に反応する気なんてなくて、わざと明るく言った真翔の言葉を無視して歩き始める。
『待てよ!
待てって、おい昴ッ‼︎』