鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!



斎藤くんが勝手にって…そんな変な事ある?


『とにかく! 気にしないでいいわよ』




『え…? でも……』




『大丈夫よ、風花』




余りにも押して来たみっちゃんにおずおずと頷いて、斎藤くんのことを一旦頭から消す。


気にしない…なんて出来るかな?



これでも結構ダメージくらってるんだけど。




『安心しなさい?』


『……うん』



みっちゃんの言葉に、考えるのをやめて素直に返した。



『南、ちょっと良いかー?』



『あっ、中嶋君!』



しんみりとした空気を壊すように、場違いな声のトーンで話しかけて来た中嶋君を見て思わず声をあげる。


…斎藤くんはやっぱりいないんだ。



最近、中嶋君は斎藤くんと教室に来ることはない。



他の時はいつも一緒なのに。




……って、他の時って!


私がいつも見てるみたいでしょ、それじゃあ。




『風花ちゃん、ちょっと南借りて良いかな?』


片目をつぶって手を合わせてそう言った中嶋君に、みっちゃんを見てにやけながら頷く。



みっちゃんに睨まれたのなんて気にしない!




『勿論! みっちゃん行ってら〜♪』



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