鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
言おうか迷って、口ごもった私を見て、もう話さなくてもいいと言うように祐希君が私の隣で寝転がった。
『少し付き合ってよ、日向ぼっこ』
『……ん』
隣でゴロゴロと転がる祐希君が、たまに私にぶつかる。
『祐希君、汚れるよ?』
『別にいい。転がってたほうが楽しいだろ?』
『……そうなの?』
『そうだぜ、常識だろ?』
日向ぼっこの時に転がると気持ち良くなるって常識なの?
そう聞こうとして祐希君を見ると、本当に楽しそうに転がっていて。
寸前で声をかけるのをやめた。
『祐希君、元気だねー』
『まぁな! 俺は元気なのが取り柄だし』
そんなことないと思うけど、なんて。
思ったけどそんなこと言ってあげない。
絶対調子乗ると思うし。
明日は槍が降るとかなんとか言われそうだもん。
『風花、斎藤だろ?』
『……え?』