鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
side__subaru
急いで中庭に着くと、遠くに人影が見えて安堵のため息をついた時だった。
人影が…2つ見えた。
……誰か、いる?
『……真白ッ!』
気付いた時には、走って駆け寄り声を張り上げて名前を呼んでいた。
『ほら、来ただろー?』
『……』
真白と隣で、笑いながらそう言った祐希の言葉に、真白は驚いたまま俺を見ていた。
『じゃ、ここで俺はおいとまするんで』
固まったままの真白と俺を見た祐希は、そう言って俺の隣に来た。
『…あれ、冗談だから』
あれ…と言った祐希に、文化祭前のあの言葉が思い出される。
……冗談って、なんだよ?