鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
*鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
side__fuka
『風花、最近斎藤とはどうなのよ?』
『ふぇっ…⁉︎ 斎藤くん‼︎⁉︎』
ニヤニヤしながらいきなり聞いてきたみっちゃんに、思わず変な声が出てあわてて手で口を押さえた。
どうって言われても…。
あれから、仲直りをしたのかなんなのか。
斎藤くんがまた前のように話しかけてくれるようになった。
……いや、絶対前以上。
避けられる前よりも、格段に甘くなった斎藤くんに、最近本当に焦ってしまっている。
この前なんて、日付が変わる時間帯のバイト終わりに呼ばれたと思ったら、ケーキを渡してくれて。
なんだろう…とか思ったら、happybirthdayって笑ってケーキをくれたんだよね。
…みっちゃんが、斎藤くんに先を越されたなんて言って騒いでたっけ。
他にも、荷物を持って歩いていたら手伝ってくれたり。
些細なことだと思うけど、そんなことに反応してしまってる私は、多分もう末期だと思う。
『その様子なら、うまくいってるようね?』
そんな私の反応を見て、満足そうにみっちゃんが笑った。
『今日もバイトでしょう?』
『うん』
最近シフトが被ってる時は一緒に帰ってるし、今日も一緒に帰れるのかな?