鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
……なんで怒ったんだろう…。
そもそも、さっきまで普通に笑ってた癖に。
最近、甘くなったとか思った睨み付けてくるとか。
斎藤くんは、どれだけ私を悩ませれば気がすむんだろう。
そんな事を考えながらノロノロと着替えて、湊さんが待つ厨房に入った。
『風花、オーダー来てるから早速だけどよろしくね』
『あ……はい!!』
いきなり元気のなくなった私を不思議に思ったのか、眉間にしわを寄せた湊さんを見て見ぬ振りをしてオーダーに取り掛かる。
やっぱり、飛鳥ちゃんと付き合った…とか?
それなら、辻褄が合うし。
私と合うのも、私と同じクラスの飛鳥ちゃんを
嫉妬させたいだけで。
誕生日は、ただのお友達として祝ってくれて。
帰りは、女だから危ないと思ってついて来てくれてる斎藤くんの優しさ。
私の喜んだ言動1つ1つが、全部、それで説明が付いてしまった。