鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『ごめん、風花ちゃん。
こいつが怖がらせたよな?』
そんな私を見かねてか、中嶋真翔君はそう言いながら、斉藤昴君の背中を軽く叩いた。
『ほら風花。ちゃんと出てきなさい』
それと同じように、みっちゃんが私を前に引きづり出した。
『何するの、みっちゃん』
折角隠れてたのに。
これじゃあ、この怖い人と向かい合う形になっちゃうじゃん‼︎
男の子が嫌いとか、苦手な訳じゃないよ?
でも、やっぱりイカツイとか…特に、冷たい男の子は怖い。
そーっと顔を上げて、斉藤昴君を見ると、あっちも私を見ていたのか、視線があったのに驚いて急いでそらす。
やっぱり、怖い!!!!
この学校の女の子達、絶対、顔だけで王子ランキング決めたでしょ⁉︎
じゃなきゃ、斉藤昴君が一位になるはずないって断言出来る!
『風花。
そんな態度じゃあ、斉藤に失礼でしょう?』
いつも通りで良いのよと言って笑って見せたみっちゃんを睨みつける。
元と言えば、みっちゃんの彼氏が話しかけてきたからこんな事になってるんだからね?
『はいはい。
真翔が悪いのは分かったから、とりあえず、自己紹介くらいはしなさいよ??』
私の視線から感じ取ったのか、呆れたようにそういったみっちゃんに頷いて、数歩後ろに下がって斉藤昴君から距離をとる。
『真白、風花です』
よろしく…とか言わなきゃいけないかな?
そう思いながらみっちゃんを見ると、当たり前とでも言うような表情で私を見て頷く。
言わなきゃダメなのかー…。
別に、2人と仲良くしなくても良いと思うんだけどなぁ。
『……一応、よろしくお願いします』
まぁ、みっちゃんが言うのなら仕方ない。