鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
圭さん言葉に湊さんを見ると…うん。
なんか物凄く不機嫌っていうか、笑ってるんだけど目が笑ってないっていうか。
『み、湊さん?』
『風花。そんな奴にくっつかなくて良いよ』
そう言いながら私を引き剥がそうとした湊さんよりも先に、横から伸びてきた手によって引き剥がされる。
『……帰る』
『斎藤君⁉︎ 待ってよ、ケーキ忘れてるから!』
その手の主である斎藤君は、湊さんよりも不機嫌さマックスで私の手を引いて更衣室のある方へと向かっていく。
別に、帰るのは良いんだけど!
さっき、斎藤君がいつものって言ったから、結構気合い入れてケーキ作ったんだよ?
だから、忘れてもらっちゃ困る!
急いで着替え終え、すでに待っていた斎藤君と店の方に行くと、なぜか空君も圭さんもニヤニヤしていて。
そんな2人を見て、舌打ちをした斎藤君の隣で首をかしげる。
『じゃあ、風花さんまた明日‼︎』
『俺は来週だな』
私の手を引いて歩いていく斎藤君に合わせて、店を出ようとした私に声をかけてくれた2人に手を振って、店から出る。