鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
私の言葉に、面倒くさそうにそう答えた斎藤君を見て、何故か中嶋君がニヤつく。
『でもお前、飛鳥ちゃんと話してたじゃん』
斎藤君の肩に腕を回して、からかうようにそう言った中嶋君に、斎藤君が一瞬目を見開いた後、少しだけ顔を赤らめた。
そういえば確かに、今日はずっと飛鳥ちゃんと話してたよね?
もしかして、斎藤君って飛鳥ちゃんの事が好き…とか?
『アイツは関係ねえよ』
『嘘つけ。初恋のやつなんて、そうそう忘れられねえだろ?』
軽く中嶋君をあしらった斎藤君に、中嶋君が衝撃発言をした後、斎藤君に睨まれ慌てて口を押さえたが…もう遅い。
『斎藤は、飛鳥の事が好きなのね』
『…飛鳥ちゃん可愛いもんね』
ばっちり、私とみっちゃんには聞こえていて。
みっちゃんに続いて、そう笑いながら斎藤君を茶化す。
『だから、違う』
『もう暴露たんだから良いだろ?
顔、少し赤いし』
否定した斎藤君を茶化す中嶋君を見て、みっちゃんと顔を見合わせて笑った。
…のは良いけど。
自分の中のどこかで、葵くんの言葉が引っかかったのか、何となく気まずくて、顔の赤い斎藤君から視線をそらした。