鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『……風花⁇』
突然呼ばれた名前に顔を上げると、不思議そうにみっちゃんが私を見ていて。
同じように、斎藤君も中嶋君も私を見ていたことに気づいて、慌てて視線をそらす。
いきなり自分の世界に行っちゃったし、今の私って、完全に変な子だよね⁉︎
『ごめんね? ちょっと自分の世界に飛んでて…』
『風花お得意の、脳内のお花畑?』
『うん!』
呆れたようにそう言ったみっちゃんに、嘘がバレ無いように笑顔で返事を返す。
でも、多分みっちゃんには通じなかったんだと思う。
斎藤君と中嶋君と別れた後、いきなり近くのカフェに引きずり込まれる。
『ちょっ、みっちゃん⁉︎』
慌てて声をあげる私を無視して、奥の席を取ったみっちゃんが無理やり私を座らせた。
『風花。私に隠し事なんで出来ると思ってるのかしら?』
『うっ……』
にっこりと笑ったみっちゃんに、思わず言葉に詰まってしまう。
確かに、私がみっちゃんに隠し事するなんて、100年早いかもしれない。
…だけど、これは誰に言う訳にもいかない。
みっちゃんだって、斎藤君が飛鳥ちゃんの事好きなのは知ってるんだし。