鈍感ちゃん(君)を攻略せよ！

『ちゃんと言ってくれなきゃ、分からないわ』


ジッと、みっちゃんの真剣目に見つめられて、短くため息をつく。

……なんて、言えば良いの？

初めて恋をしたけど、その恋は気づいた瞬間に終わってしまいました。とか？



そんな事言って、みっちゃんの迷惑になるだけじゃないのかな。



それに、私もみっちゃんは飛鳥ちゃんとはそれなりに仲が良いし。



斎藤君が、飛鳥ちゃんの事を好きになるなんて事は当たり前のような気さえしてくる。




『……風花』


今度は、少し低くなった声で。
隠し事は許さないとでも言うように、みっちゃんが私を見つめる。



…もう、みっちゃんには言おうかな。

1人で抱えるのには、苦しすぎる。



『……みっちゃん。
私、ね』


途切れ途切れで言葉を続ける私から目を離さず、みっちゃんは頷きながら話を聞く体制になる。


『斎藤君の事…好きになっちったみたい』