鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
私の言葉に笑って返しながらみっちゃんが玄関を開ける。
『ただいま』
『お邪魔しまーす』
みっちゃんの後に続けて家に入ると、奥から何かが走ってくる音がして手を広げる。
その何か…は、リビングから出てきたかと思うと、私に体当たりするように飛び込んできた。
…て、広げてたのに受け止めれなかったよ⁇
苦笑いを浮かべながらも、体当たりしてきた黒い物体を抱きしめる。
『ライ〜‼︎ 私の事覚えてたんだねー』
私が強く抱きしめながらそう言うと、苦しかったのか私の腕から逃れたライが、私を向いてワンッと吠えた。
『本当可愛い‼︎ 私も犬飼いたいなー…』
『ライ、盗まないでよ』
『……それは約束出来ないかも‼︎』
私の足元で動いていたライを拾い上げて、みっちゃんの部屋へと向かう。
さっきみっちゃんが夕食作ってあげるって言ってたから、夕食いらないってお母さんにメールしとかなきゃ。
鞄の中から携帯を取り出し、お母さんにメールを送るため連絡先を開く。