鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
メールに返信して、お母さんに連絡を入れてから携帯を鞄の中に片付ける。
それと同時に、美味しそうなスパゲティを片手に持ったみっちゃんが部屋に入ってくる。
『お待たせ…ごめん、遅くなったわ』
『全然!
さすがみっちゃんだね。
美味しそうだし…じゃあ、いただきます!』
手を合わせてそう言い、みっちゃんに見守られる中、夢中でスパゲティを頬張った。
『美味しかった〜…ご馳走様でした‼︎
もうみっちゃん、私はもう、中嶋君なんかに嫁に出したくないです』
冗談半分でそう言うと、顔を赤らめたみっちゃんに頭を叩かれる。
結構本気だったんだけどね?
まぁ、中嶋君がダメなわけじゃないよ。
『風花』
『んー⁇』
ライを撫でながら、みっちゃんの呼びかけに適当に返す。
あ、ライひっくり返った。
こうなったら私の勝ちだね。
ひっくり返ったライをひたすら撫で続けながら、みっちゃんの言葉を待つ。
『みっちゃん?』
なかなか話出さないみっちゃんを見ると、すこし俯き加減で私とライを見ていた。
『……風花。
諦めるなんて、言わないわよね?』