鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『……諦めなくても良いの?』
『当たり前よ』
『言わないなら、想ってても良い…の?』
諦めるなんて無理だ。
だけど、伝えて砕ける勇気もない。
私の言葉にゆっくりと頷いたみっちゃんに抱きついた。
なら、忘れるまでとことん、斎藤君のことを好きでいよう。
『みっちゃんの馬鹿!』
『…はいはい』
ライを抱き締めたままみっちゃんに抱きつき、声を上げて泣いた。
『みっちゃん、ありがとう』
『顔拭きなさい。
だって風花の初恋でしょう?
応援するのが親友の役目よ』
そう言って笑ったみっちゃんに、私も笑みを返す。
奇跡なんていらない。
私は、皆がいうように鈍感じゃないし、天然でもないから。
隠し通すことぐらい、できる。
斎藤君への想いは箱の中だ。
応援なんてできないけど、邪魔もしない。
____初恋なんて、そう叶うもんじゃないんだから。