鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
*文化祭【前編】
私はキラキラと目を輝かせながら黒板を見つめ、教室中が、沸き立ってざわついていた。
『みっちゃーん‼︎』
『……風花。
何であなたはそんなにテンションが高いのよ?』
面倒くさそうにため息をつくみっちゃんを無視して、黒板を指す。
『だって、そろそろ文化祭だよ⁇
今日、クラスの出し物決めるんだって!』
黒板にはデカデカと文化祭の文字。
そうです。
校庭では今まさに落ち葉が舞っています。
『何が楽しいのか分からないわ』
なのに、みっちゃんは全く楽しみにしていないようです。
……んー…。
でも、みっちゃんに伝えたいことがあるんだよね。
私、さっき隣のクラスの子に出し物聞いたんだけどね?
うん…みっちゃん、どんな表情するか分かんないから、楽しみにしてる。
『じゃあ、聞くだけ聞いてね?
斎藤君達のクラスの出し物、ホストクラブになったんだって!』
私がそう言ってみっちゃんの表情を見た時だった。
みっちゃんが、いきなり椅子から立ち上がった。
『み…みっちゃん⁇』
驚きながらも声をかけると、慌てて座り直したみっちゃんは、黒い笑みを浮かべて私の頬をつねる。