鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『風花、後で1組行くわよ⁇』
有無を言わさぬ迫力に思わず頷くと、みっちゃんは満足したように椅子に座り直した。
……中嶋君。命が欲しいのなら逃げてください。
私のせいで、あなたの命が危ないんです。
『さぁ、行くわよ!!』
『もう⁉︎ 』
私の制止など聞かずに、私の手を掴んで1組の教室までズカズカと歩いていくみっちゃん。
あー…ごめんね、中嶋君。
私の一言でみっちゃんが鬼になったから、心の中で謝っとくよ。
『……真翔ちょっと良いかしら?』
ちょうどドアの近くにいた中嶋君を呼んだみっちゃんの表情を見て、何かを察したのか中嶋君の表情が固まる。
助けを求めるように、慌てて私に向けられた視線と合わないように目をそらした。
『出し物、ホストするんですってね⁇』
『あ、ああ…そうだけど?』
みっちゃんの言葉に、濁すことなく頷いた中嶋君に、みっちゃんの眉間のシワが深くなる。
うん。みっちゃんの嫉妬なんてレアすぎるけど、やっぱり怖いんだよなー…。
『真白のクラスは何をする』
みっちゃんに連行された中嶋君を見送ると、必然的に私と斎藤君の2人っきりになってしまうわけで。
合コンのことを思い出して、顔を俯向けた。