鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『……真白、お前今日シフト入ってるのか?』
さすがに沈黙がキツかったのか、そういった斎藤君の言葉に顔を上げる。
今日…確かシフトは入ってなかったよね?
『ううん。今日はお休み』
『…そうか』
会話終了…。
何してるの、私‼︎ せっかく斎藤君が話しかけてきてくれたのに。
どうやって声をかけようとか、何を話そうとか。
この前までは自然とできていたのに、意識してしまうとここまで違うんだ。
色々考えながら言葉を探していると、横から笑い声が聞こえて再度斎藤君を見上げる。
『斎藤君…⁇ 』
見上げると、なぜか斎藤君は肩を震わせて笑っていて。
眉間にしわを寄せて首をかしげる。
そんな私を見て、ごめんと謝った斎藤君が、私の眉間に触れる。
『……お前、本当表情変わるよな。
見てて面白い』
眉間に触れていた指を離した斎藤君が、そう言いながら、私の額にデコピンをくらわせた。