鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『じゃあ、斉藤君でも良い…かな?』
実は、フルネームって心の中で呼ぶにしても長いから大変なんだよ?
一応、本人の許可なしならフルネームで呼ぶんだけどね?
『……別にいい』
聞き取るのが難しいほど小さい声で呟いた斎藤君は、真白でも良いか? と聞かれて素直に頷いて見せる。
真白…って言われたら、なんだか名前みたいだよね?
私の場合は名字なんだけど。
真白が名前だと間違えられる事は結構あるから、私的には気にしてないんだけど。
暫く、中嶋君と斎藤君と話しているみっちゃんの隣でボーッと会話を聞きながら、時間が過ぎるのを待つ。
この学校、休み時間長いッ!
早く鐘なってくれなきゃ、この2人いつまでたっても帰らないよ?
私がみっちゃんと話す時間がなくなるんだよ?
それだけは本当にごめんだよ‼︎
『そろそろ授業始まりそうだから。
俺達、教室に戻るな』
本当に授業が始まるギリギリにそう言って教室を出て行った中嶋君と斎藤君の後ろ姿を眺めて、隠す気もなくため息をつく。