鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!



『ため息なんてつかないの』


苦笑いで私を見てそう言ったみっちゃんを軽く睨みつけてみる。


だって、あの2人が話しかけてきたのは、みっちゃんのせいだよ?



『はいはい。

睨んでないで座りなさい。
そろそろ始まるわよ』



みっちゃんの言葉ど同時に鐘が鳴り、慌ててみっちゃんの後ろにある自分の席に座る。




……あ、そうだ。


私、みっちゃんに言わなきゃいけないことがあるんだったよ。


さっきの出来事で忘れてたや…。




黒板を、真面目に板書にながら授業を受けているみっちゃんの後ろ姿を見ながら、そう考える。




伝えたい事…はまぁ、バイトを始めるとなんだけど。


これからはみっちゃんと途中までしか帰れなくなるんだから、悩んだんだよ⁇




…まぁ、制服の可愛さと賃金の良さに引き寄せられちゃったんだけどね。




いつもより長く感じた授業が終わり、忘れない内に言おうと思って、みっちゃんの肩を叩く。




『みっちゃん、みっちゃん‼︎』



『何? 風花』



振り返ったみっちゃんに、少しだけ口角を上げて笑う。



『私ね、バイトする事になりました‼︎』





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