オトモダチ
第1話
高校二年生。
ごく普通の高校生活を過ごしていた私の前に、その子は突然現れた。
-キーンコーンカーン...
「席につけー。HR始めるぞ」
先生の声に、皆だるそうに席につく。
かく言う私も、その一人だ。
佐々木愛華。高校二年生。流行りに敏感で、お洒落が好きな普通の女の子。
それなりに楽しい生活を送っている。
「今日は転校生を紹介するぞ」
周りがざわつき始める。
「転校生だってぇ。女子かな、男子かなぁ?」
振り向いてそう話しかけてくるこの子は高校で初めて出来た友達、吉田沙恵果。
一言で言うと、ギャル。
「んー、どうだろうね。どっちがいいの?」
頬杖をつきながらそう聞くと、沙恵果はテンション高めに、
「えぇー?そりゃカッコイイ男子でしょーっ!まぢ彼氏ゲットしたいしぃー」
と答えた。
「はは、言うと思った」
そんな会話をしていると、教室の扉が静かに開いた。
入ってきたのは女の子。腰より下の長い髪の毛を揺らしながら教卓まで歩いていく。俯いているせいか、顔が見えない。
先生が黒板に大きく文字を書く。
【遠野 美和子】
「とおの...みわこ...」
暗そうな子だなと思っていたが、名前は存外普通でつまらなかった。
あくびをしながら彼女を見る。
一瞬、目が合った...気がした。
ビクンと身体を起こし、もう一度見直したが、美和子は俯いたままだ。
「なんだ女子かぁー。しかも暗そう」
はぁー、とため息をつく沙恵果の声ではっと我に返る。
「そ、そうだね......」
返事をし、ドクドクと脈打つ心臓を押さえて、私は彼女から目を逸らした...。
ごく普通の高校生活を過ごしていた私の前に、その子は突然現れた。
-キーンコーンカーン...
「席につけー。HR始めるぞ」
先生の声に、皆だるそうに席につく。
かく言う私も、その一人だ。
佐々木愛華。高校二年生。流行りに敏感で、お洒落が好きな普通の女の子。
それなりに楽しい生活を送っている。
「今日は転校生を紹介するぞ」
周りがざわつき始める。
「転校生だってぇ。女子かな、男子かなぁ?」
振り向いてそう話しかけてくるこの子は高校で初めて出来た友達、吉田沙恵果。
一言で言うと、ギャル。
「んー、どうだろうね。どっちがいいの?」
頬杖をつきながらそう聞くと、沙恵果はテンション高めに、
「えぇー?そりゃカッコイイ男子でしょーっ!まぢ彼氏ゲットしたいしぃー」
と答えた。
「はは、言うと思った」
そんな会話をしていると、教室の扉が静かに開いた。
入ってきたのは女の子。腰より下の長い髪の毛を揺らしながら教卓まで歩いていく。俯いているせいか、顔が見えない。
先生が黒板に大きく文字を書く。
【遠野 美和子】
「とおの...みわこ...」
暗そうな子だなと思っていたが、名前は存外普通でつまらなかった。
あくびをしながら彼女を見る。
一瞬、目が合った...気がした。
ビクンと身体を起こし、もう一度見直したが、美和子は俯いたままだ。
「なんだ女子かぁー。しかも暗そう」
はぁー、とため息をつく沙恵果の声ではっと我に返る。
「そ、そうだね......」
返事をし、ドクドクと脈打つ心臓を押さえて、私は彼女から目を逸らした...。