GUILTY of JUSTICE TARGET NO-01
急にフルネームで呼ばれビクッと肩が動いた。

振り返るとそこには、一人の男子生徒が紙を持って立っていた。

あ、アイツってさっき全速力で走ってて女子にぶつかって行ったやつ。

確か名前は・・・。その子は私に近づいてきた。

「お前だよな、神崎って。気づいたなら返事くらいしろ。」

「ごめん。な、何?」

「別、たいしたことじゃねぇ。担任に頼まれたから持ってきただけ。」

そういうと、一枚のプリントを手渡された。

私はプリントに目を移した。

『金曜日提出期限のイギリスの文化財についてのレポートが未提出です。

明日までに出しなさい。

あと、生徒指導がかかってます。

レポート提出と一緒に職員室に来なさい。』


ちょっと、私レポート出したし。

あ!そっか。大沢に見せろと言われて貸してから戻ってきてない。

大沢、絶対名前だけ書き直して提出してる。

あ、そうそう。

大沢っていうのは、

さっきの良い子ちゃんね。

生徒指導も・・・。はぁ。疲れる。

私はふと足元を見た。小さなノートが落ちている。

私は拾い上げパラっとめくった。生徒手帳だ。

炎道 猍・・・えんどう、らい。

さっきの落ち着きのない奴のか。


「あの。」


って、さっきの子いないし・・・。忙しい奴。

職員室に届けに行きたくないし、

また会った時にでも渡せばいいか。
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