libido
幾度となく食事を重ね、数える程度に情事を重ねたこの頃から、私の中で警報音はずっと鳴り響いていた。

誰がなんと言おうと私はもう、彼に溺れかけていた。

だからなのかもしれない。浮かんだ選択肢の中から選んだのは自分の家だった。

「それで良いなら」
「かまいませんよ」

それから彼は急いたように、だけどスマートに私へのエスコートを忘れることなく席を立ってから出口へと向かった。
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