libido
口に含んだワインを気管へ通してしまう程、彼のメールは私に動揺を齎した。
「大丈夫?」
カウンターで隣に座る友人は、咽る私にそう声を掛け、真っ白のおしぼりを渡してくれる。
正直平気じゃない。
気管がものすごく痛い。
「気管いたい」
「そりゃそうだ」
アペタイザーのチーズを口にして、友人はそれを告げた。
「春に結婚するよ」
その言葉にまたワインが気管へ通った。
「ゴホッ、」
今度はバーテンダーがお水を渡してくれた。
「す、すみません」
独身の友人はまだいると思えていたからこそ、意識はしていなかった。
どんなに独身率が減ったところで、こいつだけはって高をくくっていた。
だから、何も考えず、彼との時間を過ごしてこれたのに。
「・・・とりあえず、おめでと」
「とりあえず?・・・まぁいいけど」
「大丈夫?」
カウンターで隣に座る友人は、咽る私にそう声を掛け、真っ白のおしぼりを渡してくれる。
正直平気じゃない。
気管がものすごく痛い。
「気管いたい」
「そりゃそうだ」
アペタイザーのチーズを口にして、友人はそれを告げた。
「春に結婚するよ」
その言葉にまたワインが気管へ通った。
「ゴホッ、」
今度はバーテンダーがお水を渡してくれた。
「す、すみません」
独身の友人はまだいると思えていたからこそ、意識はしていなかった。
どんなに独身率が減ったところで、こいつだけはって高をくくっていた。
だから、何も考えず、彼との時間を過ごしてこれたのに。
「・・・とりあえず、おめでと」
「とりあえず?・・・まぁいいけど」