libido
目が覚めて隣を見れば、そこにいる筈の彼の姿が無かった。

時計の針は1時を差し、クリスマスが終わったことを教えてくれる。

浴衣を身に付けてから部屋を出ると、その人は私が渡したプレゼントのワインを飲みながらテレビを見ていた。

「起きたの?」
「はい」
「おいで。一緒に飲も」
「はい」

隣に腰を下ろすと、ワインを注いだグラスを渡され「乾杯」と優しく小さくグラス同士を鳴らした。

「このタイミングで言うのはなんなんですが、」

朝でもよかった。いや、朝のが良かったけど、こんな雰囲気だとまた飲み込まれてしまう。

「ん?」
「終わりにしませんか?」
「どうして?」

・・・は?
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